新しいプラットフォームでゲームを制作する際、私たちはまず、そのプラットフォーム特有の機能を利用したいと考えます。その点3DSには、3D立体視、ゲームコイン、2画面の構成とタッチスクリーンなど、数多くの魅力があります。しかし今回、私たちは「すれちがい通信」を選びました。念のためご説明しますと、「すれちがい通信」機能は、通信距離内にある複数の3DSとデータを交換する機能です(スリープ中でも動作します)。たとえば、あるゲームの中で帽子を1つ手に入れると、プレイヤーが何もしなくても、街ですれ違った別のプレイヤーと帽子を交換するような動作が可能なのです。これは非常に画期的なシステムですし、ほかのプラットフォームには存在しないユニークな仕組みであるにも関わらず、私たちの知る限り、もったいないほど利用されていません。過去には面白い利用例もありますが、大半のゲームではこの機能を無視しているか、何らかの要素をアンロックするためのトークンとしてしか利用していません。つまり、現実世界ですれ違ったプレイヤーの数に応じて、ゲーム要素が開放されたりプレイ可能な時間が増えたりする仕組みです。

私たちは「すれちがい通信」機能を利用するにあたって、安直なもの、一般的なもの、つまらないものを作りたくはありませんでした。新しいプレイを生み出したかったのです。そして何か月にも及ぶアイデア出しと討論のはてに、コンパクトで奇抜な楽しさがつまった「すれちがい闘技場」が生まれました!

上は「すれちがい闘技場」の画像で、すれちがいバトルの入り口にあたる場所です。この闘技場は、不気味なスーパースケルトンが運営しています。彼に話しかけると、2人のショベルナイトが「マリオブラザーズ」風の方式で戦うことができるようになります

この動画のように、2人のプレイヤーがコインを奪い合いながら潰し合う「マリオブラザーズ」のバトルは、非常にスピーディーで激しいものです。勝つためには、相手よりも多くのコイン(ショベルナイトでは宝石ですね)を手に入れるか、相手を倒すしかありません。「すれちがい闘技場」はこのマリオブラザーズから着想を得ており、ポータブル機らしいクイックな対戦にふさわしいシステムになりました。すれちがい闘技場では、貪欲に宝石を集めることも、本編に登場するあらゆるレリックを駆使して相手と戦うこともできます! しかし、このモードが本当にユニークなのは、 2人のプレイヤーが同時にプレイするわけではないということです。「すれちがい闘技場」では相手の姿を見ることなく、あらかじめ記録した操作どうしを戦わせるのです。

なんじゃそりゃ!? どういうことなの…!? 相手を見ないで、どうやって戦術を組み立てればいいのさ!? …そう思われるかもしれませんが(ぐふふ)、これが実にうまく働きまして、かなりイカれた白熱のバトルが展開します。せっかくですので、実際のバトルの流れをGIF動画で見ていきましょう。

バトルそのものは、わずか5秒間のラウンドを3回行います。プレイヤーは、相手のショベルナイトがどこにいるかを予測しながら宝石を集め、相手に命中することを期待しながら空中でショベルをふるいます。相手は常に画面の右側から、自分は常に左側からスタートします。つまり、相手のショベルナイトが辿るであろうルートを具体的に想像できるわけですね。相手は上に向かって宝石2つを狙うのか? それとも、下に向かって一気に3つを狙うのでしょうか? それとも、まず後ろに下がって背後の宝石を取るのであれば、うまくすればファイアロッドで足止めできるのではないでしょうか? この戦いには、数多くの選択肢と戦術が存在します。いろいろと研究して、さまざまなシナリオを試してみると楽しいでしょう!

あなたの戦術を記録したら、そのデータは他のプレイヤーのもとに送信され、一つのサイクルが完成します。次回すれちがい闘技場に入った際、すれちがい通信が有効になっている他の3DSとの間で通信に成功していれば、アリーナマスターから観戦の準備ができている旨を告げられます。つまり、あなたが記録したショベルナイトのゴーストは、あなたが現実世界で街を歩いている間に、アリーナで他プレイヤーのショベルナイトと激しい戦いを繰り広げているのです。観戦すると実際の戦いを見ることができ、勝利すればボーナスが手に入ります!

以下は、Yacht Club Gamesで行われた初のバトルを記録したGIF動画です!

とにかく最初のバトルですし、レリックも使用していませんが、すでに痛快な戦術が展開されています。第3ラウンドなどは、赤いショベルナイトが壁の後ろに隠れて、相手が中央エリアを超えてくるタイミングを辛抱強く待っています。

さあ、すれちがい通信の説明はもういいですね。あっという間の激戦がいかに面白いものか、お分かりいただけたでしょうか。このミニチュア的なシステムが、ポータブル機ならではのプレイを見事に盛り上げてくれるのです。皆さんが、このバトルにそなえて自分のショベルナイトを持ち歩くようになることを、私たちは願ってやみません! このアイデアがどこから来たのか、どのように開発されたのか、また上のGIF動画でご覧のように、当初のステージ設計から現在の形になるまで大きく変化したのはなぜか等、「すれちがい闘技場」の企画プロセスについては後日、別の記事でご紹介します。闘技場の仕組みに関する質問や、企画プロセスに関する記事で回答してほしい質問がございましたら、当方までお寄せください。

すれちがい通信を利用した「すれちがい闘技場」に関する第2弾の記事では、どのようにデザインされたかを解き明かしています。あわせてご覧下さい。