追加シナリオ「プレイグ・オブ・シャドウズ」の開発は、私たちヨットクラブゲームズにとってとても難しい作業となりました。というのも、私たちはこれまで、すでに完成させたゲームに追加コンテンツを継続的に開発する、という経験がなかったからです。ボスキャラクターを主人公とする新しいストーリーは、Kickstarterで開発資金を募った際に提案したものですが、当初は「ロックマンロックマン」と同じような手法で、もっとシンプルなものを考えていました。主人公キャラクターを入れ替え、アクション特性をちょっと変更したり、それぞれのボスキャラクターに新しい能力を与えたりする程度、を考えていたのです。しかし私たちは楽しく刺激的なものを作りたかったので… 話をもっと大きくしちゃいました!

面白い挑戦の一つだったのは、爆発物が大好きな悪の錬金術師プレイグナイトに、ふさわしいアクションを用意することでした。本編ステージデザインを基本的に引き継ぐという方針も、初期の段階で決まりました。つまり新しいアクションを導入することによって、おなじみのステージに新鮮なプレイ感覚を提供できるわけです。そしてこの目標を達成するために、しかも本作の持ち味に忠実であるためには、偽りなくファミコン時代を彷彿とさせるアクションを作り出す必要がありました!

 

ファミコンスタイル

本編の主人公ショベルナイトには、もちろんファミコン風の一連のアクションが備わっています! しかしその狙いは、ファミコン時代にシンプルな操作が生み出していた楽しさを再現することでした。ショベルスラッシュにせよショベルドロップにせよ、ショベルナイトはごく限られたアクションボタンから、いくつかの堅実で分かりやすい攻撃を繰り出します。しかしプレイグナイトに関しては、異なるアプローチを取りたいと考えました。ほら、ファミコン時代のゲームでは、起動したはいいがキャラの動かし方さえ分からない、ということがよくありましたよね?

「悪魔城ドラキュラ」のようなゲームを初めてプレイしたとき、何時間も経ってから階段の上り方やサブウエポンの使い方に気づいたりしませんでしたか? こうした当時の「プレイを通じて把握させる」ゲームの中には、ジャンプにも攻撃にも標準形がなかった時代らしく、かなり破天荒な物もありました。どうか皆さんも、腰を据えてプレイグナイトと向き合い、当時のプレイヤーと同じように好奇心を持って、それぞれのボタンに割り当てられたアクションを探ってみてください。そうすれば、2D空間における新しい動きを学べるはずです。もしかすると(当時ワクワクしながら買った新しいファミコンゲームのように)、これまでにプレイしたことのないような体験ができるかもしれません。いわゆる、簡単に学べるが極めるのは難しい操作、ということですね。キャラクターの強みや弱点を学び、それを活かしたプレイをすることで楽しくなってくるのです。

「悪魔城ドラキュラ」の説明書には、プレイヤーが瞬時にジャンプや攻撃を出しやすいように、コントローラの持ち方まで説明してあります

 

ルールを決める

何はさておき、この時点ではまだステージデザインがショベルナイトのものに縛られていたため、ステージを機能させるためには、いくつか守らなければならないルールがありました!

  • ショベルナイトは4.5タイルまでの高さにジャンプできる
  • ショベルナイトは、水平方向に4.5タイルの穴まで飛び越せる
  • ショベルナイトは特定オブジェクトにバウンドすることで、さらに4.5タイルまでの高さにジャンプできる
  • ショベルナイトは、ブロックを横方向に掘り進むことができる
  • ショベルナイトは、下にあるブロックを掘り進むことができる

ショベルナイトでは、すべてグリッドに基づいて作られています! どのステージも、彼のアクション能力に最適化されているのです!

しかし、デザイン上の制約はそれだけではありません! 私たちはプレイグナイトの性質を忠実に表現する方法を、探さなければなりませんでした。そこで私たちは、以下のような要素を重視しようと考えました:

  • プレイグナイトといえば、とにかく爆発!
  • 科学者であるプレイグナイトは、錬金術を使ってアイテムを作り出す
  • プレイグナイトは、過激でマニアックで、危険な男!
  • プレイグナイトのアクションには、本編のボス戦で戦ったキャラクターを実際に操作しているような感覚が必要! (ボス戦における特徴:大量の爆弾、派手な跳躍、そこらじゅうで爆発が発生… とにかく手のつけられないヤツなのです!)

プレイグナイトとの戦闘は、現在も多くのプレイヤーが苦戦しています!

 

アクションの構築

詳細に入る前に、まだ見たことがない方は、プレイグナイトのアクションを見ておきましょう。また、遊び方マニュアルに目を通して、基本的なルールを把握しておくといいでしょう。

コア要素

前述のルールがまとまった以上、次のステップは、ステージデザインと平行して彼の特色を出すことでした。私たちはまず、プレイグナイト固有のアクションである「ボムバースト」の開発に着手しました。

ご覧のようにプレイグナイトは、この爆発とジャンプの組み合わせによって、瞬時にかなりの距離を飛翔できます。しかし機動の制御は少し難しくなっており、水平方向にボムバーストを使うと、飛翔中の左右入力はほとんど利きません! これはプレイグナイトの破天荒な生き方を象徴したものであり、ボス戦における手のつけられないジャンプを反映したものでもあります。この能力を生かせば、ショベルナイトと同じように、大きな落とし穴を飛び越え、高い場所に登ることができます。しかも、ボムバーストを使う際はまず攻撃ボタンを押してチャージしなければなりませんので… プレイヤーは先のことを考えて使わなければなりません!

基本

しかし、バーストだけでは十分な機動力が得られません。まだ攻撃やジャンプといった基本アクションについて触れていませんでしたね! 小さな穴を飛び越えたいときや、ちょっと離れた敵を攻撃したいとき、どうすればいいのでしょうか? まさか、ボムバーストで体当たりをするわけにもいきませんね。また、ボムバーストだけでは、ショベルナイトがバウンド技を使った時ほど高い場所には登れないのです。そのため、やはり「走る」「ジャンプ」「攻撃」といった基本アクションを用意する必要があったわけです。

走る

走る速度については、ショベルナイトよりも少し遅くしています。この遅さが、ボムバーストと良い対比を生み出しているわけです。おかげでボムバーストの過激さが際立ちつつ、理解可能なバランスに収まりました。

ジャンプ

プレイグナイトは2段ジャンプができます! ジャンプ力そのものは脚力のあるショベルナイトより劣りますが、2段ジャンプでさらに高く跳べるので、通常の足場には届きます。また、これは操作の面でも役立ちます。ボムバーストと組み合わせることで、どこに着地するかを正確に調整できるようになります。あるいはボムバーストの勢いをそのままに、さらに飛距離を伸ばすことにも使用できます。

攻撃

攻撃範囲の目安です!

攻撃の際は、ボス戦で見られたように爆弾を投げます。しかし、プレイヤーが爆弾で敵を圧倒してしまわないように、使用には何らかの制約を設ける必要がありました。そこで地上では通常、連投を3発までに抑えています。

ここで重要なバランス調整策となるのが、爆弾を投げるとプレイヤーに働いている慣性がキャンセルされるという仕様です。歩行中の爆弾投げは頼れる攻撃手段ですが、プレイグナイトの移動速度は決して速くないため、攻撃のたびにブレーキがかかると敵や攻撃への対応が難しくなります。そんなときは、空中に飛び出しましょう!

プレイグナイトが空中で爆弾を投げると、だいたい45度の角度で投げ落とす形になります。このときの爆弾は、ずっと速い速度で地面に叩きつけられるのが特徴です。この方法なら角度を合わせるだけで、敵を頭上から安全に攻撃できますね。ショベルナイトの理想戦術が、敵の頭上に繰り返しショベルドロップを行うことだったのに対して、プレイグナイトにとっての理想戦術は、空中で最適な角度をとってから爆弾を連続で叩きつけることなのです。そしてこの特殊な攻撃スタイルとボムバーストを組み合わせることで、まったく新しいアクション感覚を楽しめるようになっているのです。

また、空中で爆弾を投げると、慣性にブレーキがかかります。これはゲームデザインの一環として、以下の2つの点において重要です。第一に、これを利用することでプレイグナイトの飛翔速度を制御できることです。ボムバーストによる飛翔速度と軌道は一定ですので、途中でブレーキをかけられる手段は非常に重要です。第二に、攻撃を正確に命中させることができます。空中の「ここぞ」という位置に一時停止して、同じ敵に何発も命中させることができます。この仕様がなかったら、多くのプレイヤーは正確な攻撃を行うことができず、やたらと爆弾をバラ撒くだけになってしまうでしょう。

ダメージ時

そうそう… プレイグナイトにはもう一つ、危なっかしい特性があります。ダメージ時のノックバック(弾かれる距離)がショベルナイトよりも大きいのです。

これは意図的なもので、プレイグナイトらしい危なっかしい操作感を再現するとともに、プレイヤーが敵の配置を警戒するよう仕向けるという狙いがあります。また、これにはもう一つ利点があります。遠隔攻撃を得意とするプレイグナイトは敵と一定の距離をとる必要があるわけですが、ダメージ時に敵から離れる方向に飛ばされることで、安全な距離から反撃に転じることができるのです。

飛ばされやすいと言っても、心配は無用です! 冷静にボムバーストをチャージするか2段ジャンプを活用することで、危険な状況から抜け出すことができます。ノープロブレム!

 

プレイグナイトの基本

ひとまず以上です! プレイグナイトにはアップグレードやアーマーなど様々な要素が用意されていますが、基本的な部分はこの記事で網羅できたと思います。次回は、彼の機動力を生かす方法や、さまざまな能力を使いこなす方法を、開発中の試行錯誤なども交えてお伝えします。

今回の記事では、プレイグナイトのアクションデザインや、その実装プロセスについて解説しました。これを読んだファンの皆様やゲーム開発者の皆様が、1体のキャラクターのユニークなアクションや攻撃をデザインするうえで何が必要となるかをご理解いただけたら幸いです。いくつか触れていない点(切り返し速度、加速、攻撃のディレイ、回復時間といった些細なことです)もありますが、私たちがそれらを調整した理由を、この記事を参考に想像してみてください! 皆さんがプレイグナイトの驚異的な機動力を使いこなし、その潜在能力を引き出せるようになることを心待ちにしております。ご意見やご感想がございましたら、ぜひ下のメッセージ欄からお知らせください!

パート2では、プレイグナイトのアクションを生かすヒントや小技についてお伝えしますので、お楽しみに!