前回は、プレイヤーの学習曲線を想定したアクションの構築についてお伝えしました。基礎ができたところで今回は、プレイグナイトの機動力を最大限に引き出すための、ヒントや小技についてお伝えしましょう。

基本アクションは開発期間を通じて進化し、より洗練された機敏な操作感になっていきました。まだお読みでない方は、操作キャラクターとなったプレイグナイトの基本アクションについてまとめた、パート1をご一読ください。そしてプレイグオブシャドウズ全体については、遊び方マニュアルをご覧ください。

 

まず強調しておきたいのは、今回ご紹介する技がなくてもゲームはクリアできるということです! 私たちはカンフー映画のような派手なことをしなくても、基本アクションだけでクリアできるようにゲームを設計していますので、ご安心ください。でも、そんな技をマスターできたら… 楽しいですよね!

プレイグナイトを極める

ボムバースト – ダブルジャンプで慣性をキャンセルしよう!

プレイグナイトの水平ボムバーストは、離れた場所に次々と移動できる優れものですが、不用意に使うと底なし穴に落ちることになります! しかし幸いなことに、これには救済方法が存在するのです。

ボムバーストで飛翔中に再度ジャンプすると、さらに遠くに飛ぶこともできるのですが、方向キーに何も入力しないでジャンプすると(ニュートラルジャンプと呼びます)、プレイグナイトは慣性を完全にキャンセルして真上に飛び上がります。開発初期のバージョンでは、このニュートラルジャンプで徐々に減速するような仕様にしていました。しかし、それではボム投げ時の減速モーションとかぶってしまいますし、他のメリハリのあるジャンプ挙動との一貫性が取れません。急制動がかかるようにしたことで、安全に着地するために二段ジャンプを温存しておく、という選択肢をプレイヤーに用意できました。

直上ボムバースト!

また、方向を入力しないでボムバーストを行うと、水平ボムバーストのように強烈な慣性を発生させることなく、真上にジャンプできます。こうすることでプレイグナイトの着地を制御しやすくなり、水平ボムバースト時よりも高く跳ぶことができます! これは空中から攻撃する際にも便利です。

ボムバーストにまつわる試行錯誤は、非常に重要な工程でした。プレイグナイトの過激な動きを損なうことなく、プレイヤーにどの程度の操作性を与えるべきかを調整するのに、かなりの時間を費やしました。

もっと高く、ずっと遠くへ!

ステージデザインの面で見ると、既存のステージはショベルナイトの通常ジャンプとバウンド時の追加ジャンプを基準にしているため、プレイグナイトの高いジャンプ能力は大きな問題にはなりませんでした。本当に高くジャンプするには少々慣れが必要ですし、危険もありますが… うまく出来ると非常に痛快なのです。下のGIF動画はその一例で、本編では何かを利用しないと上がれなかった場所に、ダブルジャンプとバーストを組み合わせるだけで上っています。

ジャンプ、ボムバースト、ボム投げ、ジャンプ、バースト!

また、水平ボムバーストの高さと初速を生かせば、かなりの距離を一気に移動することができます。正確なタイミングとちょっとした勇気さえあれば、障害物だらけの部屋でも一気に飛び抜けることが可能です。

ほぼすべての足場にジャンプできる主人公ともなると、難易度のバランス調整は非常に難しくなります。こうした問題を回避するため、ジャンプ技の実行は少し難しく設定しました(メトロイドのアクションと同様の措置です)。また、ショベルナイト本編とは異なるストーリーであることを踏まえて、本編よりも自由度を高めています。ショベルナイトでは届かなかった足場に上り、ボムバーストで穴を飛び越えられるプレイグナイトを使うと、非常に楽しいと同時に、ゲームのルールを破っているかのような気分になるはずです!

ボムジャンプのプロともなれば、あらゆる場所に行けるようになります…

あとちょっとの高さを!

プレイグナイトを使っていると、ほんの少し高さが足りなくて、行きたい足場に上れないことがあります。このストレスを軽減するため、ボムを投げるとプレイグナイトに反動が働き、わずかに浮き上がるようにしました。これを利用すれば、ギリギリ届かなかった足場にも上れるようになります!

バースト時の無敵時間と攻撃

ご存知のとおり、ボムバーストは敵にダメージを与えることができます! そして敵は、ダメージを受けると点滅して一時的に通り抜けられるようになります。ショベルナイトはこれを利用して敵の先手を打ったりしますが、プレイグナイトの場合は、敵をボムバーストで置いてきぼりにできます。

ボムバーストで敵を突破!

ゲームの戦闘ルールとアクションを組み合わせたこの技は、危険な状況から抜け出す際にうってつけです。しかし、ダメージを与えられない障害物が相手の場合はどうでしょうか? 幸いプレイグナイトは、ボムバースト直後の数フレームの間は無敵なのです。

ボムバーストで障害物を突き抜けろ!

このわずかな無敵時間は重要です! うまく利用すれば、一歩踏み込んだ、より危険なプレイが可能になります。

この際プレイヤーが注意することは、「あらかじめチャージしておくこと」と「障害物や敵にできるだけ接近すること」の2点だけです。このボムバーストの無敵時間は、接近戦を強いられた際のストレスやチープ感を感じさせないためのものです。

攻撃を命中させた瞬間にやり返されてしまうのは、非常に不愉快なものです。ショベルナイトの場合、下突きやバウンド技には独自の無敵ルールが設定されていますが、それはキャラクターの必殺技をストレスなく楽しく使ってほしいからです。これはプレイグナイトについても同様で、ボムバーストの無敵時間をうまく使いこなせば、もう誰も彼を止められません!

ボムを投げるほどスローに

プレイグナイトは、2発目のボムを投げるまでほとんど減速しないことにお気づきでしょうか? 完全に減速するには、たくさんのボムを投げなければなりません。

これには、プレイヤーが速度を自由に制御できる、弱い敵を攻撃しても速度をさほど失わない、ボムバーストもチャージできるという利点があります! 各ステージでスピードランを行う際は、この点を念頭に置いておきましょう。

このボム投げによる減速は、ゲームデザインを試行錯誤する中で確立されていった仕様です。プレイグナイトのスピード感を保つことは、ショベルナイトとの差別化を図ることと並んで重要なテーマでした。

ボムバーストのバッファ時間

瞬時に発生するアクションとチャージアクションが同じボタンに設定されている場合、多くのゲームで、ある共通の問題が発生します。:

ショットをチャージする際、普通のショットが1発だけ発射されてしまいます!

上は「ロックマンX」の動画ですが、チャージショットを撃った直後に再チャージを行うと、通常ショットを1発だけ撃ってしまいます。この意図せぬ攻撃が厄介な問題を引き起こす場合があり、たとえばこの通常ショットのほうが先に着弾してしまうと、本命のチャージショットが無効になってしまうのです! ファミコン版のロックマンでは、チャージショットに長めのクールダウン時間を設けることで、この問題を防いでいました。ただし、この場合はショット終了までの時間が長くなってしまうため、それはそれでゲーム速度が遅くなってしまい、快適ではありません!

プレイグナイトの機動性を考えるうえで、この問題を解決することが非常に重要であることが分かりましたので、私たちはバッファ時間を設けることにしました。これにより、プレイヤーはボムを投げることなくチャージを行えるようになっています。

基本的に、ボムバースト直後にボムを投げてもボムは出ません!

このテクニックを見てみましょう。

ここではボムバースト使用後の数フレーム以内に再度ボムボタンをホールドしていますが、この際、ボムを投げずにチャージに入っています。これは危険な状況から抜け出す際に便利なテクニックで、ボムを投げることも大きく減速することもなく、長い距離を移動できます。

被ダメージ時のボムバースト!

ボムを投げずにチャージする方法は、実は他にもあります。その一つが、被弾時のアニメーション中にチャージする方法です。

ボムバーストでピンチを救え!

プレイヤーはこれを利用して危険な状況から抜け出したり、反撃を行うことができるわけですね。

画面スクロールチャージ!

実際のところ、チャージできない場面はほとんどありません! 宝箱を開けている時? NPCとの会話中? ハシゴを上る途中? そんな時でもチャージはできます!

こうした状況では操作にそれぞれ異なる制約が発生しますが、私たちはプレイヤーの皆さんに「溜めていたチャージが消えてしまった」ように感じてほしくなかったのです。チャージの開始と停止、要した時間は、プレイヤーの置かれた状況が変化しても不変でなければなりません。それでこそ複雑なジャンプアクションを、身体で覚えたタイミングで実行できるのです。熟練者ともなれば、キャラクターの点滅を見なくてもチャージ完了のタイミングを直感的に判断できるようになるでしょう。

このルールの素晴らしいところの一つは、ゲーム中の画面移動時に、ボムバーストをチャージできるということです!

画面移動中にチャージして、隣の画面に移動!

 

トリックスターになろう!

やれやれ、本当にいろいろな技がありますね! 今回ご紹介した技を使いこなせるようになれば、プレイグナイトはもっと面白くなるでしょう。どうぞ鍛錬を怠りなく! その中で、それぞれのギミックを作り上げるために私たちが費やした時間と労力について、そしてそれらが製品版において非常に重要な役割を果たしていることについて、ほんの少し想像して頂けたら幸いです。自分たちの感覚を信じて試行錯誤を行っている時であっても、ときには時間をかけて、結果を言葉にすることも大切です。チームの仲間と話し合う時は、特にそうですね。ちなみに、技はここに紹介したものが全てではありません! ここで取り上げられていない技を見つけたら、ぜひコメント欄から教えてくださいね! ふっふっふ!